第42回 「音楽と脳」研究会のご案内
日時 2023年10月6日(金) 19:00~21:00
会場 ハイブリッド開催
長谷 芳樹(ピクシーダストテクノロジーズ)
40Hz変調音の聴取によるヒトの脳波(ガンマ波)の惹起/同期
40Hz周期のパルス音あるいはパルス光の呈示により認知機能が改善する可能性が指摘されています。例えば、これまでに、マウスの認知機能が向上したという報告[1]や、ヒトの海馬萎縮が減少したという報告[2]などがあります。また、40Hz周期の電気刺激によってヒトの記憶が改善するという報告[3]もあります。
しかしながら、これらの刺激は日常的に長時間呈示することは困難である可能性あります。そこで我々は、声や音楽などが含まれる音を振幅変調することで同様の効果が得られないかと考え、脳波測定実験や心理実験を進めてきました。
結果、パルス音よりも不快度の低い振幅変調音でも脳波惹起/同期が可能であること、TV放送の“声”以外の音だけを変調した場合(これを我々は“ガンマ波サウンド”と呼んでいます)でも脳波の同期が得られること、少なくとも聴力レベルを補正すれば高齢者でも若年者と同様であること、日常的にTV視聴をおこなう程度の音量で構わないこと、などを確認してきました。
本勉強会では、これらの概要の説明とともに、最も基礎となるデータが掲載されている論文[4]について詳細に解説する予定です。