第43回 「音楽と脳」研究会のご案内
日時 2024年2月16日(金) 19:00~21:00
会場 オンライン開催
武田 祐輔(ATR)
安静時脳活動に繰り返し現れる時空間パターン
近年、ぼんやりしている時の脳活動(安静時脳活動)が注目を集めている。ラット等の動物研究で、安静時脳活動は無秩序ではなく、同じ時空間パターン(モチーフ)が繰り返し現れることが報告されてきた。こうした時空間パターンは、脳のネットワークに埋め込まれた過去の記憶を反映していると考えられている。安静時脳活動に現れる時空間パターンを調べることで、過去の記憶がどのように脳に蓄積され、未来の脳活動を形作るのかが明らかになると期待される。しかしこれまで、脳磁図などのヒトの安静時脳活動データから時空間パターンを捉えることは困難だった。これは、安静時には刺激呈示や反応採取が行われないため、時空間パターンの出現時刻が特定できないためである。そこで私たちは、安静時脳活動データから繰り返し現れる時空間パターンとその出現時刻を同時に推定する手法を開発した。本発表では、開発した手法とそれによって明らかになった時空間パターンを紹介する。