第48回 「音楽と脳」研究会のご案内
日時 2024年12月20日(金) 19:00~21:00
会場 オンライン開催
森 数馬(量子科学技術研究開発機構)
音楽が喚起する快感情の全脳時空間特性の検証
人は感情の喚起を求めて音楽を聴取すると考えられる。先行研究では音楽がもたらす快感情に伴って、脳の報酬系領域が賦活すると示されてきた。しかし、近年注目を集めている感情の脳内分散表象仮説に基づけば、脳のより広範な領域が音楽の快感情に関わっている可能性がある。本研究では、日本・カナダ・イスラエルで実施したfMRI聴取実験のデータにより時系列を踏まえた全脳デコーディングモデルを構築することで、多文化で共通した音楽による快感情の時系列全脳表現について検討を行った(N=165)。さらに、構築したデコーディングモデルを用いて様々な報酬課題を行った際のオープンfMRIデータを予測できるか検証した。神経伝達物質などに関する脳マップと音楽の快に関する時系列全脳表現の類似性を示すことで、機能的意義を広範囲から検証した。これらの検討を通して、音楽による快感情に伴う脳活動を、報酬領域を超えて全脳レベルで特色づけることを試みた。