第21回 関東「音楽と脳勉強会」のご案内
日時 平成28年2月5日(金) 19:00~20:00
会場 電気通信大学 西10号館2F 大会議室 (地図はこちら)
大澤智恵 (京都市芸/学振)
ピアニストが演奏中に利用する知覚情報モダリティの検討:視覚・聴覚・体性感覚に関して
私は空間的コントロールによって成り立つ演奏技能のしくみを明らかにしたいと考え,研究しています。これまでの研究で,ピアノ演奏者は,弾こうとするキーの「位置」そのものを精密には記憶していない,ということが明らかになりました。すなわち,演奏中にリアルタイムに得られる知覚情報が重要な役割を果たしているはずです。そこで,演奏中に得られる情報のうち,何がどの程度/どのような場面で,演奏に貢献しているかを検討しようと考えました。実験では,手や鍵盤の視覚情報の有無と,演奏音という聴覚情報の有無,さらに,演奏中に白鍵と黒鍵の凹凸に触れられる機会の有無を操作した,各条件での演奏を,ピアノ専攻生に依頼しました。打鍵エラーの全体的な分析に加え,課題音列の音形や運指パターンとの関連についてもふれ,視覚,聴覚,体性感覚(触覚及び固有受容覚)の役割について考察したいと思います。