jViolin

ひじの動きの感覚

(変な質問だとは思うが)「弓の動かすのは身体のどこか」という問いを考える.これは,物理的な意味ではなくて,感覚的な意味での問いである.ぱっと答えると,「右手」ということになるかもしれないが,少し考えると,右手は弓を支えているだけで,弓を動かしているわけでない.実際,先生にいわせれば,「ひじから先は力を入れない」ということなので,「右手」ではなくてむしろ「右ひじ」を動かす感覚をもつべきということなのかもしれない.

話は飛躍するけれども,武術研究家の甲野善紀氏も「ひじから先は自分の身体だと思うな」という趣旨のことを言っている.この「ひじから先を自分でコントロールしようとしない」というのはいったいどういう意味をもっているのであろうか?

一つは,ひじから先はもっぱら「センサ」として使い「アクチュエータ」として使うなということかもしれない.

もう一つは,腕の筋よりも体幹部の筋を使え,ということかもしれない.あくまで感覚的な話であるが...

いずれにしても,弓を動かす最終効果器である「手」に意識がいってしまうと,「手」だけで弓を使うことなって,身体全体を弓の動きに参加させることができなくなってしまうという意味合いはあるのであろう.

中途半端な議論になってしまったが,自分の身体のどこに注意を向けて(正確な表現ではないがほかによい言い方がない...)身体を動かすか,はまだまだ解決しない問いである.


Last-modified: 2019-10-22 (火) 11:13:15